学校法人 ロザリオ学園

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2022.02.01 ロザリオ学園 ブログ

初めてのお芋ほり (安全管理部で体験したモンテッソーリ教育のすばらしさ)

ロザリオ学園 ブログ

あれは、今年度が始まって間もない朝の出来事でした。

園バスから降りた女の子が、教室に入らず激しく泣いていました。本部の部屋にいても聞こえるくらいの泣き方で、普通に泣くのと違って、泣き叫ぶ泣き方でした。多分、新入園児で幼稚園という家とは違う環境に連れて来られ、不安で家に帰りたくて泣いているのだろうと思って、1週間もしたら慣れて泣くこともないだろうと思っていました。

しかし、いっこうに慣れる気配がなく、毎朝、泣き叫びの繰り返しでした。私は、義務教育でないので、こんなにつらそうに嫌がっているのだから、家にいさせてあげたらいいのにとも思っていました。

そして、ある日、幼稚園に用事があって園舎の入り口に行った時、偶然、その子がいて泣いていたのですが、私の手を握って泣き止みました。それからは、私が、安全管理部の業務で園外に出かけない時は、その子に付き添い見守るようになりました。

朝、その子が幼稚園に来ると、教室には入らず直接園庭にて、二人で過ごします。雨が降っても、熱中症予防のテントの下で過ごします。そして、お昼になると園庭のベンチや園バスの中で給食やお弁当を食べ、帰る時間まで二人で過ごしました。

 

モンテッソーリ教育の特徴の一つに縦割りのクラス編成があります。年長・年中・年少の園児達が同じクラスになり、自然なかたちで年上の子が、年下の子を助け、お手伝いをしてあげます。それを体験した年下の子達は、自分が年上になると年下の子ども達の面倒を見てあげるようになります。

私が、その子と園庭のベンチに座っていると、年長や年中のお姉さんやお兄さんが一緒に遊んであげようといろいろ誘いに来てくれました。

違う日は、一緒に教室に連れて行ってあげようと、バッグや水筒等を持って連れて行こうとしてくれたこともありました。先生達も、この子を無理やり教室に連れて行ったり、強制的に何かをやらせようとしたりせず、気長にこの子の主体性に任せ見守ってくれていました。

そして、モンテッソーリ教育の特徴のもう一つが、それぞれの特性、育ちを尊重し、一人ひとりに沿った教育を行うということです。

もし、この子が画一的な教育の場にいたとしたら、幼稚園が安心できる場にならず、自分のペースで自分の歩み方ができず、幼稚園を去っていたかもしれません。

このモンテッソーリ教育の、多様性を認め、そうした教育を受ける場所を提供することによって、その後、あれだけ教室に入ることを嫌がり泣き叫んでいた子供が、朝、園バスを降りると自分一人で教室に入り教室内で過ごすことが出来るようになっていました。

 

  

 

しかし、私にはもう一つ心配の種がありました。それは、この子が他の園児達と一緒に園外活動ができるのかという事でした。そしてとうとうお芋ほりの日がやってきました。私は安全管理のため園児達より先にお芋畑に到着して、ドキドキしながらこの子の到着を待っていました。すると、案の定、大泣きしながらこの子が園バスから降りてきました。あーやっぱりまだ園外活動は無理だったかと思いましたが、なんと、この子が芋畑につくと泣き止みスコップを持ってニコニコしながらお芋を掘り始めました。そして、みんなと一緒に自分の掘ったお芋を袋に入れてバスに乗って幼稚園に帰っていったのです。

 

       

 

 

このように、私は、安全管理部の業務をしながら、モンテッソーリ教育のすばらしさと子供達の持っている能力の高さに感動することが出来ました。

子供達は、大人の知らないところで日々、成長してくれています。今回の園外活動は、この子にとって高いハードルだったかもしれませんが難なくやってのけてくれました。この活動の様に子ども達が少しずつ高いハードルをクリアして、3年間の幼稚園生活を先生や仲間たちと一緒に元気一杯、楽しい思い出をたくさん作って安全で無事に卒園してくれる事を切に願いながら幼稚園内外活動の安全管理業務に邁進してまいります。

安全管理部長 岡耕司

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