学校法人 ロザリオ学園

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2024.06.03 ロザリオ学園 ブログ

マリア祭に思うこと

ロザリオ学園 ブログ

去る5月29日に海の星幼稚園でマリア祭が行われました。海の星幼稚園のマリア祭は園庭にあるマリア像の周りに集まって行うので、雨の日は行うことができません。そのため、年によっては当日の天気予報が微妙で、行う日の間際まで日程の調整をすることもありますが、幸い今年は良い天候のもとでマリア祭を行うことができました。

海の星幼稚園のマリア祭は、まず代表の園児たちが園舎から花びらをまいて、マリア像の近くにやってきて、マリア像の周りを一周して席に戻ります。それから園長先生のお話、チャプレンであるわたしの話があります。それから、「あめのきさき」を歌って、わたしが園児たちを聖水で祝福します。そして、最後に園児一人ひとりが持ってきた花をマリア像に捧げて、教室に帰っていくという流れで進行します。

今日のマリア祭では最後に花を捧げるとき、園児たちの中にマリア様に向かって長いお祈りをしている子がいました。そのうちの何人かの子は他の子がいなくなってからも、ずっと祈っていました。海の星幼稚園では二つのグループに分けてマリア祭をしますが、長く祈っていたのは最初のグループの園児たちでした。

あまり長くなると、次のグループの園児たちのマリア祭の時間が遅れるので、わたしは「もう十分祈ったね。帰っていいよ」と教室に帰るよう暗に促したのですが、それでもなかなか帰らない園児もいました。わたしは「いったい何を祈っていたのだろう」と気にはなりましたが、その内容は園児たちに聞かないようにしています。それは園児たちと神様の間の問題だからです。

わたしはカトリック幼稚園の出身ですが、幼稚園時代の記憶がほぼないので、マリア祭というものがあったかどうかすら覚えていません。成長したら、わたしと同じような子もいるでしょう。わたしは愛光学園で中学2年生の宗教の授業を担当しています。そこにはロザリオ学園出身の子が結構いますが、その子たちに幼稚園の頃のことを聞くと、覚えている子は少数です。それはある意味で仕方ないことだと思います。

ただ、子どもの頃に学んだことは必ず心のどこかに残っているとわたしは信じています。今の時代、競争社会の中で他人との比較で生きていかなくてはなりません。神様だけが他人との比較ではなく、ありのままの自分を愛してくれます。わたしが年長児に1年間神様の話をすることを通して、一番伝えたいことはこれです。このわたしの思いが今まで自分が関わった園児たちに少しでも残って欲しいと願っています。

 

 

海の星幼稚園 チャプレン

川上栄治 神父

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