モンテッソーリ教育では、線上歩行という活動があります。

この活動の目的は、「運動調節を繰り返すことにより、動きを抑制することへの準備する」

そして、「日常生活における動きの調節。動きのコントロールを通して自律心の獲得」です。

この活動ができるのは、年長・年中児しかできません。週1回、帰りの集まりが

始まる前に20分ほどこの活動をします。

この活動は、カーテンを閉め薄暗い部屋の中、心が落ち着くヒーリング音楽をかけて直線と曲線を歩き

静かな空間と、落ち着いた心が整ってから始まります。

動きや体のコントロールがまだ未完成な子どもからすると、まっすぐ歩くことはとても難しいことです。

先週、今年度初めての線上歩行がありました。まずは、大人が歩き方の手本を見せて始めます。

大切なのは、早く線の上を歩くのではなく時間をかけてもいいから丁寧に歩くことです。

 

年中児は初めての線上歩行でした。まだ、ふらふらしてしまう子が

沢山います。線の上を歩いているはずなのに、線から外れてしうことも…

友だちの歩いている姿を、じっと観察している子もいます。

でも、子どもたちは一生懸命線の上から落ちないよう丁寧に、時間をかけて

ゆっくりと歩いて行きます。この、静かな空間が子どもの心を落ち着かせて、集中力を高めます。

外では、おもいっきり楽しむ姿や、にぎやかな空間で過ごしていますが

この静かな空間では、誰一人話す子はいません。

まだ、線の上を歩くことをしていますが、上手に歩けるようになるとかかとをつけて歩く、

線を見ずに歩く、物を持って歩く、頭に物を載せて歩く、鈴がなったら止まったり、歩いたり…

とても長い行程が詰まった活動ですが、一年かけて子どもたちと大切にしていきたい活動です。