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†  巣立っていく卒園児に思いをよせて 2021/03/29

 この1年は新型コロナウイルスが猛威を振るい、世界中の人々が同じような痛みを抱える年となりました。今まで当たり前のようにしていたことが急にできなくなったことで、私たちは戸惑い苦しみました。しかし、できないことを悔やんだり残念がったりするのではなく「今、いったい何ができるのか」「本当に必要なことは何なのか」と改めて考えるきっかけを与えられた1年だったように思います。

 

 

 今年は、子どもたちと過ごす中で、日常の些細なことから毎年行われる行事の在り方についても、制限されることが多くありましたが、子どもたちと一緒にいろいろな方法を探りながら話し合いました。特に年長児は「自分たちができることは何だろう?自分たちが本当にやりたいことはなんだろう?」とたくさん意見を出し合いながら、仲間たちと相談し合う経験を重ねました。時間短縮や規模縮小の中で行われる行事のプログラムを決める過程においても、子どもたちから様々な声が上がりました。

 

「これは絶対にやりたい。」

「これができないのなら、その代わりにこんなことがやってみたい。」などなど。

 

 子どもたちの提案により、運動会の司会進行は、年長児が交代でマイクを握りました。お泊り保育では、皆で一緒にお泊りすることはできませんでしたが「わかば夏祭り」と題して、コインを使っていろいろな屋台(綿菓子、かき氷、フランクフルト、ポップコーン等)の中から自分の食べたいものを買ったり、遊びのコーナー(ボーリング、くじ引き、魚釣り等々)では、コインの残を数えながら、仲間たちと思う存分に楽しんだりしました。行事だけではなく、日常の様々な場面においても、子どもたちは自分たちで考えて、自分たちがしたいことを私たちに提案してくれました。

 

 

 昼食の時は、密にならないようにと、仲間と一緒に教室から机を運び出してテラスで食事を取ったり、自分たちで相談し合って時間差で食べたりしました。また、年下の子どもたちに手の洗い方を丁寧に教えてあげたり、帰りの集まりではソーシャルディスタンスの取り方を教えてあげたりと、考えることや教えてあげられることがたくさんありました。

 

 色々なことを、仲間との話し合いで決める経験もたくさんありました。友だちと意見がぶつかり合うことも度々ありましたが、そんな中、人の意見にも耳を傾けて自分の考えと折り合いをつけてみたり、それでもやっぱり自分の思いを貫き通したりといろいろな葛藤をしながら、話し合いの経験を積みました。なかなか意見がまとまらず、どちらも譲ろうとしないので「じゃんけんで決めてみたらどう?」と聞いてみました。すると、「じゃんけんはダメよ。じゃんけんで負けて決まったら、いつまでも悔しい気持ちが残るから。」と答えてくれました。自分の意見が通らなかったとしても、とことん相手と話し合って納得した上で、最後に自分が答えを出す、ということなのでしょう。凄いなぁと思いました。

 

 

 年長児は、自分の心と向き合うことで自分のことがよくわかる人になりました。自分の好きなものや得意なもの、ちょっと苦手なもの、挑戦したいと頑張っているもの、これから先も絶対にやってみたいと思っているもの等々。やりたいことがいっぱいの意欲のある人になりました。今までにたくさん喧嘩もして仲間と気持ちをぶつけあってきましたが、相手の気持ちがわかる思いやりのある人になりました。

 意欲と思いやりがあれば、大抵のことは乗り越えていけると思います。

 

 巣立っていく子どもたちが、これからもそれぞれの道で、自分の良さを発揮して自分らしく輝きますよう、心からお祈りしています。

    若葉幼稚園                               

 園長 松木信子

 

 

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