学校法人 ロザリオ学園

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2016.05.31 ブログ

心身の健康と安全な生活について

 愛和聖母幼稚園では月に二回外部講師の矢野先生にお願いして体操教室を行っています。今回は今年度二回目の体操教室です。

「ケンケンパー」

 最初に年中さんから始めました。マットの上に輪っかを「ケン」と「パー」の形に置いていって一人ずつ飛んでいきます。目前にある輪っかの形を自分の目で確かめてから足を輪の中に「ケン」か「パー」の形にして入れていくのですが、みんなケンのところに片足で立つのが難しいので両足を一つの輪っかの中に入れて「グー」の状態にしています。
 目の前の輪っかを前にして「どうしたらいいのかな〜」と頭を抱え込んで一生懸命考えている子どももいます。でもみんな少しずつ「グー」「パー」と上手に飛べるようになりました。

 体操1 体操2

 頭で考えたことを体で表現するのは意外と難しいようですが、少しずつリズムが整ってきて上手く飛べるようになっていきます。体を上手く「かたち」に合わせること、頭でイメージしたとおりに体の各部分をコントロールすることができようになることで、子どもたちの表情が生き生きした表情に変わり、最後は「できた〜」と喜びを全身で表しています。

 体操3

「豚の丸焼き」

 次は、竹の長い棒を小さな移動式の鉄棒にしっかりと固定して大きな鉄棒を作って、その下にマットを敷いて「豚の丸焼き」という技に挑戦です。やり方はまず両手で鉄棒をつかみます。そして、体と鉄棒を平行にしながら片足ずつ鉄棒に掛けていきます。

 体操4

 上手にできるようになったら、お友だちと一緒に二人で豚の丸焼きをしながらジャンケンをしました。勝ったら下りることができますが、負けたらそのままの姿勢を維持して、勝つまで次の人とジャンケンをしなければなりません。なかなか勝つことのできない子どもは先生に背中を支えてもらって最後まで頑張りました。

 体操5 体操6

  *      *      *

「かなずちトントン」

 年少さんはリズムに合わせて体を動かす「かなずちトントン」という手遊びから始めました。手遊びと言っても、かなずちの数がだんだん増えてくると、足や首も使わないといけなくなるので全身体操と言ってもいいでしょう。

  かなずちトントン、いっぽんでトントン、かなずちトントン、つぎはにほん
  かなずちトントン、にほんでトントン、かなずちトントン、つぎはさんぼん・・・・

体操7

 最初は右手をかなづちにして、膝をトントン。次は両手をかなづちにして両膝をトントン。かなずちがすんだら、次はのこぎりです。

  のこぎりシュシュシュシュ、いっぽんでシュシュシュシュ、・・・・・・

 のこぎりの動きはかなづちよりも複雑です。平手をのこぎりにして前後にシュシュシュシュと動かします。足が入ってくるともうわけがわからず全身を震わせながら大騒ぎです。それでもみんなのこぎりのつもりで一生懸命体全体を使ってのこぎりを表現していました。ちなみに、年少さんは座って行いましたが、年長さんは立って行うので動きが複雑になってもっと面白くなります。

 体操8

「お家造り」

 そのあと、体操用マットを四角に敷いて、その上に積み木を使ってみんなで家を造ることにしました。四月に入園してから年少さんだけの初めての共同作業です。みんなで積み木を運んで、積み上げてお部屋を造ったり、お風呂を造ったり、キッチンや煙突など、思い思いのものが形をなしていきます。お家を造るという作業の中に、積み木を運んだり、持ち上げたり、重ねたり、いろいろな動作が含まれていて、楽しんでいるうちにいっぱい体を動かすことができました。そして何よりもみんなで造り上げたということが一番大切なことでした。

 体操9 体操10

 みんなの中に入ることができなかった子もいましたが、「どうしたの? 泣かないでね」とハンカチを差し出してくれる優しいお友だちもいました。そして、元気をもらって最後は一緒にお片付けすることができました。

 体操11

  *      *      *

 年長さんは地べたに仰向けに寝そべって、つま先が見えるように首を持ち上げています。これは首回りの筋肉を鍛える運動で、この筋力が弱いと小学校になって机に座って黒板を見続けることがしんどくなります。

体操12

 次に両足を頭の方に持っていって、足を地べたに付けることができるかどうかやってみました。意外とこれができない子どもたちが続出です。

 体操13

 それから、現代の子どもは俯いてゲームをすることが多く、反対に体を反らすという動作が日常に欠けているということで、ブリッジに挑戦してみました。全くできない子どもからきれいにできる子どもまで様々でした。

 体操14 体操15

 子どもたちが楽しく身体を動かしているのを見ていて、子どもたちの安全ということを考える時に、大人である教師が可能なかぎり子どもを守ることは大切であるけれど、それ以上に大切なことは、子どもたち一人一人が自分で健康で安全な生活をつくり出すことができる力を養うことが一番大切なことだと実感します。
 その力を養うためにはまず、子どもたちが明るく伸び伸びと体を動かし、そのことに充実感を味わわせてあげること。そして自分の体を自ら進んで十分に動かしながら、そのことに喜びを見いだせるような工夫が必要であると改めて思いました。

 体操教室が終わって、子どもたちから自然に「あ〜楽しかった。また、やりたい」という声が上がっているのを見て、これからもどんどん自分で体を動かして、自分たちで健康で安全な生活をつくり出していってほしいと願う一日でした。                                             

                                       愛和聖母幼稚園
                                       園長 田中正史

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