モンテッソーリ教育とは

モンテッソーリ教育について

「先生お元気ですか?モンテッソーリ教育を受けた私の子どもは今、入学してから現在に至るまで関わったすべての先生が、自分の思いをはっきりと伝え自分で考えてきちんと行動ができるとか、人にとても優しく接することができ、困っている人がいたらすぐに声をかけることが自然にできる等と評価していただき、とても生き生きと学校生活を送っています。」
と入園当初は自分の思い通りにならなかったら「イヤダ!」と悲鳴をあげていた小学校4年生になる子供の母親から便りを頂いた。
末筆に、「じっくり彼女を見ながら、その子らしさを失わないように丁寧に関わって頂いた幼児期の体験が活かされているのだろうと喜んでいます。」と結んであった。
我が子の幼児期に確かなものを見た母親が実感したモンテッソーリ教育!
子どもをひとりの人格者として見て、子ども自らが主体的に学べるように教育のあり方を追求していくモンテッソーリ教育について少し詳しく述べていきたいと思います。

モンテッソーリ教育の目的と目指す人間像

 モンテッソーリ教育の目的は、それぞれの子どもの発達段階を理解し「偏りなく均整のとれた責任感と自信にあふれる自立した健全な人格」を育てることです。グローバルな全世界・全人類に共通する愛を信じ、人間が人間らしく個人として、集団として生きていくための資質や能力を調和的に成長発達させ、将来も自己教育を積み重ねる姿勢を持った人間に育てることです。
環境をとおして主体的に行動し自由の厳しさを知った子ども
自らの考えによって自らが選んでいく、選ぶことへの責任、自由とはわがままではないこと、したいこととしなければならないことの区別がつく人、自由を真に理解する子ども。
かけがえのない一人としての人間、共生の意義を知り、大切にする子ども
教具をとおして一つの大切さ、みんなの大切さを知る。
自分を大切にし、他人も大切にする。異質なものを受け入れ、皆が調和して生きていることを感じられるように正しい個人主義・正しい集団のあり方をしみ込ませる。

モンテッソーリ教育の内容

 モンテッソーリ教育法は、子どもが自分を形づくっていく力を最も豊かに持っている時期に、子どもが大人になるためのしっかりした基盤を与えるものです。子ども本来の要求を満たすために、また、幼児の精神と知性がバランスをもって発達するのを助けるために、子どもに合わせて特別に考え出された整えられた環境が不可欠です。
モンテッソーリ教育を実践する上での重要な要素として教具があります。その教具の特徴は
以上4つの点を教具の中に配慮し、子どもにとって魅力的な環境の中で総合的な方向付けをしていきます。

また、モンテッソーリ教育の実践は、「日常生活」「感覚」「数」「言語」「コスミック」という5つの領域に具体的に分けられ、それぞれの領域ごとに目的をはっきり示しているのが特徴です。
 日常生活のあらゆる活動には、活動の正確さ、精密さ、順序性があることを伝えるために、一定の段取り(順序)が用具の使い方と同時に具体的に提示されている。
日常生活の活動は「環境への配慮」と「自己自身への配慮」という大きな2つのグループに分けられる。この他に、第3グループとして「社会への適応」、第4グループとして「運動の分析と調整」がある。
子どもたちは自分を形作っていく力、大人になっていく力を最も豊かに持っている時期に、まねごとでない本物の子どもサイズの教具である「日常生活の活動」をとおして、毎日の生活の中で直面するいろいろなものの本質に触れていく。この活動は運動器官やその機能を発達させ、最終的に子どもの内で独立心を獲得し、自主性を伸ばし「自立」への道を歩む原動力となる。水の体験(水遊びから掃除料理に至るまで)、動植物の世話と観察、食事の準備とマナー、後片付け、対人関係の諸問題への関わり方、指先の器用性、全身運動の調整などの発達を促し、その後に続く分野の基礎ともなる。
 子どもの受ける感覚が合理的な方法で発達するように、感覚の刺激を組織的に導けることができる教育である。感覚の敏感期にある幼児は特に感覚器官をとおして世界を吸収し、知的発達の基礎を作っている時期であると捉え、モンテッソーリの感覚教具は全て手で扱われ幼児が発達の過程にある機能を確立させたり、完成させたりする役割を果たす。様々な概念を、実体験として、イメージとして心の中に蓄えておき子どもの精神的自我を育成する。特に概念を教具に置き換え、教具をとおして五感を刺激し、ばらばらに体験された内容を一つの概念に整理し体系づけらて、組織的に形成していく。教具は抽象化された具体物で感覚を五つ(視覚、触覚、聴覚、味覚、臭覚)に分け分類されている。
感覚教具は、三つの特徴的な構造を持ち、教具を分類したり(分類化)対応するものを見つけたり(同一性)漸次段階を付けたり(漸次性)して活動していくうちにその違いが明確になっていく。知的発達の基礎となる。
 言語は民族固有の文化遺産であり、民族の意識を投影しているものである。「言語の基礎を作る時期」と呼ばれる幼児期の言語発達に注目し「言語を吸収する子ども」を援助するために「母国語を習得する」ために独自の言語訓練と教具を開発した。幼児は体験をとおして、その時々の状況を頭の中に刻むが、その時それらの状況を適切に表す言葉があり、経験と同時にその意味する言葉を理解した時、言葉で記憶されたことは頭の中で処理され次に思い出す時よりよくイメージ化される。それらを系統だったモンテッソーリ教具を使うことによって「話し言葉」をより完成させ、内容的にも質的にも言葉が豊かになるように指導する。
さらに「話し言葉」から「書き言葉」の世界に導入し、言語による表現力を拡げる。文字に興味を覚える敏感期にある幼児期に子どもの内面から湧き出る「知りたい」「やりたい」要求を大切にしたモンテッソーリ教育の一環として「言語」を位置づけている。
 モンテッソーリの数教育は、子どもが生活体験をとおして漠然と親しんでいる数量に対して、または無秩序に取り入れている数量に対して体系的に学んでいくことができるようになっている。必ず具体物が用意され、自分の手を使って感覚の刺激を受けながら、数に親しみ確かめながら論理的に認識できるようになっている。いつも最初に物の多さを表す量から入り(この量の経験が将来の数の土台となっている)次にそのシンボルを紹介し最終的には量と数詞と数字を対応させ、三つの関係を明確にしていく。感覚で体験した印象を秩序立て、抽象する能力を育成する。数量意識の経験を段階をおって積み重ね数概念獲得へ導く。
 幼児の知的好奇心を刺激し、想像力を発達させ、理性と人間の良心を調和的に統合する普遍的なカリキュラムである。天文学、地理学、地質学、生物学、物理学、歴史、科学などは全体の一部分に過ぎず、個々の領域が世界やコスモスの知識と多くの点で関連していることを認識し、宇宙全体が相互に援助しあっていることを感じ、触発することができるように導く。
私たちが生活の中で受けるあらゆる特典に対する「感謝と愛」の気持ちを培い、偉大な秩序と調和への憧れの芽生えを養い、幼児の心に生命を与え、宇宙の全てを愛することが出来る人間になれるよう意識化していく。
※参考文献
・E・Mスタンディング「モンテッソーリの発見」エンデルレ書店
・クラウス・ルメール他「モンテッソーリ教育」中央出版社
・ヘレーネ・ヘルミング「モンテッソーリ教育学」エンデルレ書店
・京都 2012年第二印刷発行 赤羽恵子・根岸美奈子「自分で考え、自分を育てるモンテッソーリ教育」北斗書房
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